top title

 

sketch590

NEXT
HOME
BACK
5月10日
NEXT

 『 京大教授の中西輝政さんがギリシャの歴史家ポリュピオスの言葉を教えてくれた。

ポリュピオスによれば、物事が宙ぶらりんの状態で延々と続くのが人の魂を一番参らせる。その状態がどっちかへ決した時、

人は大変な気持ちよさを味わうのだが、もしそれが国の指導者に伝染すると、その国は滅亡の危機に瀕する。

カルタゴがローマの挑発に耐えかねて暴発し、亡びたのはそれだと・・・。さらにつけ加えて、中西教授が言うには、

この言葉、近代の英国では軍人も政治家もよく取り上げる決まり文句。英国のエリートは、物事がどちらにも決まらない気持ち悪さに

延々と耐えねばならないという教育をされている。世界史に大をなす国の必要条件ということです。』

「大人の見識」 阿川弘之 著 新潮新書より